強みをどう伝えるか
私の経験上では、学校の強みを質問した時に出てくる回答は特に説得力があるというケースはそれほどありません。
それはなぜか?
それは「伝える術」を知らないからです。もちろん、本当は強みでもなんでもない「普通レベル」の場合もありますが(その場合は再検討をしてもらうしかありません)、伝え方が「そこそこ」でしかないために、私にはメリットに聞こえない場合が多いのです。
ここで例を出しましょう。貴校は語学に力を入れているとします。さて、その事をどう説明するでしょうか?
・一週間の語学にあてる授業時間を出して説明する
・語学担当の先生の経歴を説明する
・在学生・卒業生のコメントを引用する
・世間一般で言われている事を紹介する
・語学を学ぶ設備を説明する
・語学を学ぶために必要なものを説明し、そこから導きだした独特なカリキュラムを説明する
さて、貴校ならいかがでしょうか?ここではどれが正解、どれが不正解というのはありませんが、私が1分ほどで思いつくものを書いただけでも上記のような切り口があるわけです。もっと考えればもちろんまだまだいくらでも出てきます。
ここで私がお伝えしたいのは、貴校の強みをどう伝えればより伝わるのか?を考えてほしいのです。実際に競合がどのように広告などで打ち出しているか?そしてそれらは伝わるかを考えてほしいのです。
同じ事を言うにしましても、その説明の仕方、何をサンプルにするかで、話を聞いた側の印象は物凄く大きな幅で変わってきます。
大事なのは本当に相手に「強みが強みとして伝わる事」です。それが達成できていない場合には、伝え方が悪いという事になります。一番悪いのは貴校では強みと思っているのに、相手にはさほどのメリットには聞こえない事です。

教職員が自信を持って言える強みはなんですか?
さてここで本題です。本当に強みであると教職員が思っている点は何でしょうか?
競合にも負けないレベルのものですので、何個もあるわけはありません。この質問を全ての教職員に投げかけて多く出てくるものがおそらくは強みなのだと思いますが、その点がきちんと広報媒体などに活かされているでしょうか?
前述したように、「強みとして伝わる」レベルで活かされているかが重要です。
どこにでも転がっている強みである「面倒見が良い」「就職に強い」「グローバルである」などはそのままで使うならばこれほど弱い言葉もありません。いや、あたりさわりがないと言っても良いでしょう。
食品を売る時に「うまい!」と書くのと同じです。どれもうまいを前提に作っているわけで、どこもまずいと思って売っているわけはないのです。
これらは私の中では定型文レベルでしかないのです。説得力をもって強みと言うにはどういう伝え方をすれば良いかをよく考えて下さい。
広告のスペースには限りがあります。その限られた場所で何を優先して自校のメリットを伝えるかというのは、言うほど簡単ではありません。
当然ながら、教職員が自信をもって強みと言える部分がなければ、私たちのような学校コンサルタントも力を発揮できません。言うまでもなく、どこを主軸としてブランディングをすれば良いかが決められないからです。
また、自校では強みと思っていても、競合の中での立ち位置ではそうでもないというケースはよくあります。その場合には、どうすれば競合よりもメリットがあると打ち出せるかを考えて、実行していってください。
強みの把握(同時に弱みも把握しておきましょう)、そして伝え方の再検討
これらはとにかく重要です。
<文責:SEMアドバイザー亀田泰史>